よく、発明や変革を起こすには「異なるもの同士の組み合わせ」が必要だと聞く。



今回取材を行った「有限会社 高知かねた青果」は昭和6年創業の長い歴史を持つ青果仲卸業者だ。

歴史や伝統があることのメリットは誰でも想像がつく。しかし「社内に変革を起こしにくい」というデメリットがあることもまた同様だ。

そんな中、高知かねた青果では経営方針の改革を目的に、業界未経験者の採用を試みている。変革を望むその理由を伺った。

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業界の風向きが変わる。目指すのは攻めの姿勢

有限会社 高知かねた青果

所在地:高知市弘化台12番12号 高知市中央卸売市場内
事業内容:生鮮青果仲卸流通/中国天津甘栗加工
昭和6年創業
従業員:15名
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今回取材を行わせていただいたのは、代表取締役 植田晋也 社長である。

高知かねた青果では、高知県内の野菜や果物を生産者や卸売業者から仕入れ、それを量販店、小売業者、飲食店などのニーズに応じて仕分けを行い販売している。

高知市中央卸売市場に店舗を構え、早朝からセリ取引を行い、中国天津甘栗の加工も行っている。


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長年にわたり県外流通の中核を担ってきたが、地産外商という県全体の方針もあって、業界全体が変わりつつある。

それに伴い、経営方針の転換は必須だ。しかし、調整役の「仲介業者」であり、さらには歴史ある組織が変化を起こすにはそれなりのエネルギーや覚悟も必要となるのだ。

どうしても今の現状じゃ後ろを向いてしまいます。守りに入ろうというのを凄く感じるのでそうじゃないスタッフを求めています。やる気があってこれやってみよう、あれやってみようという気持ちがあればチャンスだと思うんです。

植田社長は変化に前向きだ。

しかし、そのためにはいつくかの視点から成長を促さなければいけないという。1つは消費者ニーズをつかむこと。売り手目線ではなく買い手目線で商品を提供する仕組みがまだない。

実は、高知かねた青果では2016年3月からダイレックスでの販売を開始しており、これまでのBtoB事業ではなく、BtoC事業の着手しはじめたのだ。

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IMG 4631 高知かねた青果 ホームページ | ダイレックス情報

2つ目は、社長の言葉にもあるように、新規事業に対する姿勢。失敗を恐れず実行する環境を会社全体でつくり上げたいという。

3つ目は、社長自らの時間の使いかた。現在は人員不足も否めず、末端に近い業務も行っている状況だ。社長のみならず、社員それぞれが自らの担当に注力できる仕組みは必要だという。



球児としてボールを追いかけ続けて学んだこと

みずからを「変わり者」だという植田社長にこれまでの経歴を伺った。

失敗したことや負けたことに対して、どれだけ語っても結果は変わらない。負けた以上は甲子園にも行けない。ということは、次のチャンスで必ず勝てるようにするためにどうしたらいいかをひたすら考えることが大事。

中学、高校、大学と、全て野球のスポーツ推薦で入っていたという植田社長。常に「前へ前へ」と最善を尽くす姿勢は自身の野球経験で培われたという。

卒業後は実業団にも所属し、野球漬けの毎日だった。

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ほとんど仕事では役には立っていませんが、都市対抗野球などで社員の人が一斉に応援してくれたりというのが凄くありがたかったというのが記憶にあります。

28歳までプレーを続け、「やりきった」という達成感があった。そして今後はサラリーマンとして大企業にいるよりも、「自分らしさ」を求めて高知に帰省。実家の青果卸売業に従事するようになった。



修行、専務、社長。変わる意識

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当時は野菜の市場のことなどさっぱりわからなかったという。しかし修行の意味もあって、仲卸ではなく市場の卸の荷受け部門で働くこととなった。まさに現場主義である。

1年ほど経過したのち、社員の事情もあって専務になった。

教えてくれる人は誰もいませんでした。何が何だかわからない状況で試行錯誤。それが十数年も続きましたが、実際やればなんとかなりました(笑)。


そして平成27年、代表取締役社長に就任。

社長になってから、いろいろ考えるようになりました。これまでは親が築いたものを守ればいいかなと思っていましたが、状況が変わり、意識も変わってきました。

なにか新しいことをやろうと思っても身動きが取れない。いつの間にかそんな状況だったという。なかなか事業のアイデアも出ず苦労した。

大きい会社にしたいわけではないが、変化を求めるときに対応できるスキルと人員の確保は必要。そう感じた。

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市場にモノがないと寂しいんです。

子供の頃から「市場」がそばにあった。「やれやれー!」「いけいけー!」という威勢のよい声を聞いて育った。そんな市場を守りたい、支えてくれている生産者と消費者の想いを大切にしたい。そのためには「新たな風」が必要だと考えている。



仲卸業としての”繋ぐ”役割とは

高知かねた青果には大切にしてる言葉がある。

「つなぐ」

祖父の代から受け継がれてきたキャッチコピーで、社員みんなで繋がって仕事をしようという想いがこもっている。

また、消費者と生産者を繋ぐという意味もある。

みなさんは、「この商品は〇〇という成分が含まれていて・・・」と言われるより、「こんな想いでつくられたんです」と言われた方が買いたいと思うのではないでしょうか?

生産者の想いを消費者へと"つなぐ"仲卸業者を目指している。

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レタスとキャベツの違いがわかればよし!

今後の課題は、消費者目線を持ち、積極果敢に新たな取り組みを行うこと。具体的には、店舗販売にて消費者の想いを汲み取った販売企画ができる人材を求めているという。

具体例としてこういうことだろうか・・・。

・「このキャベツを絶対に食べたくなるたった一つの理由 〜生産者〇〇さんのキャベツに懸ける想いを聞いた〜」
・「このトマトが作られるまでに起きた珍事件ベスト5」
・この道40年、きゅうり農家〇〇さんが、きゅうりにこだわり続ける3つの理由
・創業〇〇年高知かねたブランド「TSUNAGU」

専門知識はほとんど不要! レタスとキャベツの違いがわかる程度でよいとのことだ。知識は現場で学ぶこともできる。



求める条件はただひとつ。挑戦を恐れない心。知識不要で外部からの風を求めている点に、高知かねた青果の変革に賭ける気概が伝わってくる。





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