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 規模の大きい組織のファンドレイジングも学んでいきたいと考える中で、事例をリサーチをしていましたが、「図書館ファンドレイジング」に関する文献を多数見つけることができました。

特にアメリカの図書館においては、1970年から1980年代にかけて予算削減が迫られた背景から、非営利団体の資金調達手法(ファンドレイジング)を用いて、その運営を支える動きが始まったようです。



アメリカの図書館におけるファンドレイジング
福田都代 / 2004

https://www.jstage.jst.go.jp/article/toshokankai/56/5/56_KJ00006766531/_article/-char/ja



今回の文献の中で紹介されているニューヨーク公共図書館は、1980年代に5年間で3億ドルを集めるキャンペーンに成功、全米の公共図書館の中で最も多額の資金を集めたようです。

読んでいて気づいた点としては、抽象論だけでなく具体的な施策が多数記述されており、現場を想像しやすかったように思います。

今回は、その中から図書館におけるファンドレイジングの基本的な手順と、他の組織体にも応用可能と思われる事例について列記してますので、ビビッとくるものがあれば、ぜひ文献を覗いてみてください。


[手順]

1:協力してくれる人々を集め、彼らの時間を投入させる
2:役割を理解させるために職務分析表を用意
3:実行可能性について調査(ニーズを的確に把握するため図書館の評価を行う)
4:ミッションステートメント、ケースステートメントを作成
5:コミュニティ・プロファイルの作成


[その他事例]

・目標達成金額の80-90%は10%のドナーから集められる(パレートの法則に類似

・ダイレクトメールの送付については最低でも5千通から1万通を送付。家族が留守にする夏季休暇中は避ける。送付から2週間前後で回答がピークに達し、回答率が1%を超えればほぼ成功

・コーネル大学のアルバート・マン図書館では、遠隔地に住む同窓生や名誉教授などを対象に、図書館のコレクションとサービス拡大計画を説明したバーチャル・ツアーをネット上で展開。140万ドルを集めた


文献全体を見渡すと、手法や考慮しなければならない点は莫大。一筋縄ではいかないことは明白。「これらの成功は熱意や使命感に左右される」という旨の記述が最後ありますが、そのわけも納得できます。