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[NPO法人虹の種] 大切な人の死を後まわしにしない。終活トータルサービス「寄り添いびと」で生き方を見つめなおす。

今回はわたくしサトモトが高知に移住した当初にお会いしたNPO法人「虹の種」理事長の玉城さんを取材。生のセミを食べる動画 がなぜか印象に残ってますね〜。会うたびに元気をもらうパワフルな方。

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数年ほど前から「終活」という言葉を耳にするようになりました。

エンディングノートの作成、葬儀、財産の相続など、生前に死後のことを考える終活。日本の高齢化率が高まり介護問題も露出する中で、2009年頃にはじめて週刊誌に掲載された言葉だそうです。

「終活」というワード自体は広く知られるようになりましたが、「自分自身や大切な人が亡くなった後のこと」を考えている人はどれくらいいるでしょうか? 気が進まず、後まわしにする人も多い気がします。

今回取材させていただいたNPO法人「虹の種」(高知市)理事長の玉城さんは、新たに「終活に関するトータルサービス」を開始したそうです。生前死後の手続き窓口を一本化することで、価格も安く抑える。

そして「終活」を通して、人が生き方を見なおす機会をつくっていきたいそうです。

【NPO法人 虹の種】 設立:2008年3月 理事長:玉城秀大(高法寺住職も兼務) ホームページ:特定非営利活動法人虹の種 所在地:高知県高知市神田2421番地3号

【生前死後の事務委任契約「寄り添いびと」事業】 事業概要:「葬儀・納骨・永代供養等の履行」を中心に、相続・医療に関する相談と紹介等を含めた安心価格でのトータルサービス。 サービス内容:契約者とご家族との対話を根幹に「死」に関する一連のサービスを提供し、一緒により充実した「生き方」を考えます。 ①自分の人生を生きる生き方の提案と相談・場作り ②葬儀・各種法要・納骨・永代供養 ③死後の事務

終活トータルサービス「寄り添いびと」をはじめたきっかけ

サトモト:この事業をはじめるきっかけはなんだったのでしょうか?

玉城:ぼくはお寺の住職もさせてもらっているのですが、その経験からいつも2つのことで悩んでいました。

ひとつは「葬儀にお金がかかりすぎて死ぬに死ねない」 という話をよく聞かされるんです。 高知でも一件あたりの葬儀にかかる平均費用が約100万円と言われていて、参拝者の数やお食事・お返しによって更に高額になります。

そこで、もっと負担のかからないやり方がないだろうかと考えていました。

もうひとつは、 現代の日本社会の中で、自分が何をしたらいいのかわからない、好きなことがわからない、どう生きたらよいのかわからない、という相談も受ける中で、「自身の在り方」をみつめる機会をいかに創るのか。

このほかにも、葬儀社さんから過剰なサービスを受けることになったり、相続で取り返しのつかないトラブルが起こったり、終末医療で残念なことになったりで、様々な相談を受けていました。

そして、これらの問題をどうやって改善したらいいかずっと考えていたんですよ。

そこで今回、葬儀、納骨、永代供養、相続、医療など「終活」に関する手続きなどを一つにまとめた「寄り添いびと」というサービスをつくりました。

一つにパッケージすることで、価格も低く抑えることができます(契約金74万円とお布施を合わせて一括納付。また毎年4月に年会費1.2万円を納付

※トータルサービスを受ける場合(葬儀・納骨堂・NPO法人虹の種による相談窓口利用)の金額。全員がこの限りではありません。

なので、葬儀どころかお坊さんへのお布施や納骨堂・永代供養、その他のサービスも全て含めて安価に抑えることができました。

今までは葬儀があると、葬儀社を探したり、お坊さんを呼んだり、いろんな事務手続きがあったり、人によっては財産の相続があったり。それが、一つの窓口になったらすごく便利なんですね。

それから、終活っていうのは死ぬ前の段階でいろんな準備をしますよね。その情報を葬儀屋さんや弁護士さん、税理士さんたちと事前に共有できるので、死後の手続きもかなりスムーズになるんです。

さらに、こうやって事業の窓口を広げることで死について見つめる機会が増えますし、そうすることで自分の「生き方」も見つめる機会になると考えました。

「恩送り」制度導入

サトモト:今回は新しい制度も導入したと聞いたのですが、どういうものでしょうか?

玉城:今回は、日本ではじめての「人の善意による仕組み」も導入しました。

「恩送り」とは、誰かから受けた恩を別の人に送る。そしてその送られた人がさらに別の人に送る。そして「恩」が世の中を巡ってゆくことです(江戸時代では恩送りは一般的にあったそうです。参考:地球蘇生プロジェクト~地球ヴィジョンクリエイター白鳥哲~)。

つまり、これをこのサービスにも生かそうと思いました。思いを持った方にお布施していただいたお金(恩送り金)を、寄り添いびとの一括支払いが難しいという方に、万が一の際に充てさせていただきます。

限りある大切なお布施なので、この貴重なご縁を活用してほしいですね。

生前も、死後も、あなたに寄り添っていく

サトモト:そもそも事業のネーミングを「寄り添いびと」にした理由ってありますでしょうか?

玉城:「悼む人」(天童荒太著)っていう小説をご存知ですか? 映画にもなっている作品なんですが。


人っていろんなところでいろんな死に方をするじゃないですか。主人公はその「誰かが亡くなった場所」に行って、故人を「悼む」という行為をしながら旅を続けていきます。

その姿に対して「あの人ちょっと頭おかしいんじゃないか」といろいろ言う人もいるんですけど、大切な肉親を失った親族は、悼んでくれることに対して「ありがたい」と思うんです。

この本読んだとき「ああ、悼む人えぇなあ」と思ったんですよね。

そこで、最初は事業のネーミングを「悼む人」でもいいかなって思ったんです。けど、生前に「悼む」という言葉は合わないので、次に考えたのが「寄り添いびと」というネーミングだったんです。

誰かが亡くなっても「あなたの生きざまは僕たちが覚えているよ」というメッセージを込めています。

自分が死んだ後、残される人を想えますか?

サトモト:このサービスを「ぜひこういう方に利用してほしい」という思いはありますでしょうか?

玉城:修活に関する仕事をしている中で気づいたんですが、人によっては、自分が死んだ後のことに興味がないんです。

サトモト:そうなんですか?

玉城:事実として「自分が死んだら、別に後は何とでもするやろ、俺はもう知らん」という方もいるんです。

その事実はぼくもショックでした。なので、残される人のことを考えられる人、「生前死後にしなければならないこと」を誰かに託すのが難しい方にぜひ利用してほしいですね。

サトモト:なるほど。ちなみに、死んだあとに興味がないっていうのは、あまり好ましくないんでしょうか……?

玉城:好ましくないですよ、残念ですけど。だって自分だって両親がいて、おじいちゃんおばあちゃんがいて、いろんなものにお世話になって、最後に「立つ鳥後を濁す」という形になってしまいますよね。

サトモト:残される人たちに対して、どうして興味がなくなってしまうんでしょうか?

玉城:煩わしいということもあると思います。事前に家族一同集めて話し合うっていうのは。それから、「死後のこと」をしゃべるってドキドキすると思うんですよ。

人によっては「俺はお姉ちゃんに財産を渡したいけど、お姉ちゃんに渡すって言ったら、お兄ちゃんはなんて言うかな」とかね。そういう骨肉の争いが生じるのも想像に難くないですよね。

けど、ちゃんと向き合ってそれやると、当然ぐっとトラブルも減るんですけど。

中国でみた、本当の意味で豊かに生きる人々

サトモト:複数の事業をまとめてパッケージするのって労力が必要だったのではないでしょうか?

玉城:そうですね。けどぼくひとりでは力不足ですし、連携する人みんなもレベルアップできると思ったんです。そして、これはもう「めちゃくちゃ喜ばれることは想像に難くない」って思えたんですよね。

個人的な話ですが、以前、中国に住んでいたことがあるんです。そこにはものすごい貧しさがありました。

でもすばらしいところもいっぱいあった。ある町は、自然もあって、川がこう流れてて「風の谷のナウシカ」ですよ! 子どもたちの笑顔とかもそうだし、おじいちゃんが渡し船で渡してくれるんです。

けど日本はね、お金と物質を求めすぎて、心を壊してる人が多くいらっしゃいます。そのことをお金や権限も持っている日本の年長者に伝えていきたい、という理由で私は住職になったんです。

この修活サービスもそこにつながっています。大切な人の死後をサポートするだけでなく、本当の意味で豊かな生き方にもつながればと思っています。

<編集後記>

どうして人は終活を後まわしにしてしまうのだろう?

取材をしながらぼんやりと考えていました。

大切な人の死を想像するのは辛いこと。悲しいこと。できれば考えずにいたい。 可能な限り遠いところにいたい。

けれども、紹介した小説「悼む人」の中にはこんな一節がありました。

「どうしてその人が死んだのか、死ななければならなかったのかを覚えるのではなく、その人が、誰に愛され、誰を愛し、どんなことをして人に感謝されてきたか、その生きている姿を覚えていくようにすれば、つらくはないのだと。」

筆者のわたしはまだ27歳。死についてなんてまだまだわからない。

でもこの言葉を聞いたとき、単に「辛いから」「悲しいから」という理由で死に向き合わない態度は、何か大切なものを見失っているような気がしました。自分なりにでも、終活のことを考えてみようと思います。

★新たな事業に挑戦しつづけるNPO法人虹の種。代表の玉城さんが住職を務める高法寺では、スタッフも募集しているようです。お寺の運営に興味のある方、社会貢献に興味のある方はこちらをご参考に。

【寄り添いびと事業 問い合わせ】

NPO法人虹の種 代表玉城:090-5279-2776 事務局 090-4506-7440 Mail:nijinotane333@gmail.com


Innovator No.39 玉城秀大

Sponsored by NPO法人虹の種

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